特別編「765プロという物語」
今更のように26話の感想を。
カラオケは……良かったですよ! 千早が!
千早のめんどくささが余すところなく!
めんどくさくない千早なんて千早じゃないよ!(誉めてます)
一緒にカラオケに行きたいとは微塵も思わないけど!
(だってきっと駄目出しとかしますよあの子)
そして思うに、アイマススタッフってやっぱり相当ニコニコをチェックしてるよな、と。
アニマスでも、ニコマスからの逆輸入ネタがかなりあったし。
しかし、その力量差ではもう全くかなわないなあ……とつくづく思います。
個人的に打ちのめされたのは、「水瀬家へようこそ」です。
もう、お話としてはベタですよ、超ベタ。
だって、やよいが伊織の家に泊まるでしょ?
「お姫様みたいだね!」「夢みたい!」
って感嘆するやよい
と、
「私にとっては普通だけど……」
って言う伊織
でしょ?
ところが、最初は楽しげだったのに、夜眠る段になって急に心細くなるやよい
でしょ?
絶対誰か作ってるよこの話!
(私は、あいうえおPの「【ウソm@s】アンアンアンとっても大好きプロデューサー #01」
を思い出したんですけど、でも全く同じ筋書きの話があっても驚きませんよ)
しかし、このクオリティたるや……。
ベッドに入ったやよいが弟たちの名前を呼び始めるまで、寂しさが募ってくるシーン、やよいは一言もしゃべらないんです。
最初と同様、廊下に並ぶ甲冑(でも実はちょっとデザイン違うし場所も違うっぽいんですよね。どんだけ数があるんだ水瀬家)が映る……つまり、明るい中で見るのと同じ部屋が、夜は違って見えてくる、という表現。
やよいはしゃべらないし、写ってるのはさっきと同じ光景なのに、やよいの内心が視聴者にはひしひしと伝わってくる……。
ベタな筋書きだけに、それをきっちり描ききるプロの技が見えました。
最後のやりとりも、アニマス本編を見ていると味わい深い……。
そして、あのエピソードはわずか90秒しかないんです。
ニコマスで、90秒で何ができるか……と思うと。
私、以前「超ノベマス」に参加しようとしたものの、どうやっても規定の5分の枠に収まらず、あきらめて完成させたら13分強(795秒)の動画になってしまい、実は内心
「ノベマスで5分なんて短すぎるだろ……。半ば余興扱いとは言え、企画に問題があるんじゃね?」
と思っていたんですが……。
(ステマ!)
しかし、アニマス視点で見れば、5分あれば「水瀬家へようこそ」クラスのエピソードを3本入れた上に、オープニングとエンディングを15秒ずつつけられる……むしろ
「5分なんて長すぎる」
の世界だったという……!
神がかっている。
それから、ちょっと考えさせられたのが、劇中劇である、あずささん主演映画「隣に…」。
やはり「3A07」と比べてしまいました。
もちろん、背景が似てるのは当然です。
「隣に…」の歌詞を元に話を作ったら、この坂道を登っても遠い彼方へ旅立ったあなたがそばにいない話になるのは当たり前です。
しかし、両者はシチュエーションは似ていますが、結末が(おそらく)異なります。
「3A07」では、故人の遺志を継いで将来を選ぶ、という選択をするのに対して、アニマス公式は、故人への想いは想いとして、あずささんは新しい道を選ぶ……という物語にしたわけです。
「私、結婚します」と。
髪も切って。
「めぞん一刻」の響子さんですよね。
惣一郎さんのことを忘れるわけではないけれど……という。
いつまでも思い続けて欲しい、というのは、プロデューサー側の気持ちとして当然だけれど、でも響子さんは惣一郎さんに……死者に殉じてはいけない。
これは、千早と弟の物語の変奏でもあると想います。
アニマスは、
「優は私の歌が好きだったから、私は歌い続けなければならない」
という千早に、
「弟さんは千早ちゃんの歌が好きだったんじゃない、千早ちゃんの笑顔が好きだったんだ」
「弟のために歌うのではなく、自分のため、今の仲間のために歌おう」
という道を示したわけです。
死者のことを忘れなくてもいい。でも、ひきずってはいけない。
今いる仲間とともに、未来へ向けて歩もう……。
ほんのちょっとしか見えない劇中劇ではありますが、そういうテーマが垣間見えて、すごく印象的でした。
(もちろん、「3A07」をけなすつもりはないです。あれはもうニコマスの最高傑作の一つだと思います。見た時「あれ?なんで声が入ってないんだろ?」って不自然に思ったくらい)
……で、その一方で、「劇場版第二弾」は、ばたばたアイドルが死ぬ話なんですけど。
やあ、アイドルがヤクザ……というかチンピラ、みたいな話はやっぱり見たことがある気がしますけど(ここでリンクを張りたいんですが、誰の作品だったか忘れてしまいました。ご存じの方教えてください)、あんなに死んではなかった気が。
これでした。公開当初釣られて見た。
あと、通りすがりさんから紹介された動画も張っておきます。
こっちはガンアクションですよ(一部ガンじゃないけど)。
ニコマスでアイドルを死なせると賛否両論で大変なんですが……劇中劇だと思ってやりすぎくらいにやってくれるな……。
まあ、よく考えると「キサラギ」だって、まともに作ったら何人か死にそうな気がしますけども。
ともあれ、もう……すごいな、としか言いようのない、濃い内容でした。